お風呂やトイレに行くときなどに、iPhoneSEを持ち歩いている人はたくさんいます。しかし、お風呂などの水まわりで使うことや、時には汗などが原因となって、iPhoneSEを水没させてしまうこともあるのです。iPhoneSEが水没してしまったときの症状や応急処置を把握しておき、もしものときに役立てましょう。
この記事では、iPhoneSEを水没させてしまったときの症状や応急処置の仕方などについて解説していきます。
1.水没するとどうなるの?
iPhoneSEを水没させてしまうと、さまざまなトラブルが起こる可能性があります。ここでは、端末が水没することによって具体的にどのようなことが起こるのか見ていきましょう。
1-1.電源が入らない
iPhone7以降に発売されたモデルに関しては、比較的新しく、耐水性能があります。ただし、iPhone6sまでのモデルには防水性能がないので、iPhoneSEにも防水性はありません。加えて、iPhoneは精密機械です。そのため、水に弱いという特徴があります。
iPhoneを水没させてしまったときに見られる電源が入らないという問題は、トラブルとしては特に多く見られるもので、一番わかりやすい類のトラブルと言えるでしょう。
また、万が一、端末が水没してしまうとスマートフォンの内部に水が入ってしまい、思わぬところに電気が通るなどのダメージを受けてしまうおそれがあります。
加えて、端末が動作しなくなってしまう原因のひとつとして、使用されている精密機械の金属部分が水によって錆びてしまうという問題もあります。ただし、端末を水没させてしまった場合でも、すぐに電源が入らなくなってしまうケースばかりではありません。
たとえば、端末が水没してから数日後に電源が入らなくなってしまう場合もあるのです。さらに、端末の電源が入らないままでは、データを取り出すこともできません。iCloudなどを使ってデータのバックアップができていれば、大切な写真や動画などのデータが失われる心配はありませんが、バックアップをしていないのであれば注意が必要です。
1-2.画面が映らない・反転する
iPhoneSEを水没させてしまうと、画面が映らなくなってしまうケースもあります。たとえば、メールの通知音や電話の着信音はしているにもかかわらず、画面が真っ暗になってしまうという症状が現れる場合もあります。ほかに、全画面が映らないというだけでなく、一部分のみが欠けるなどの症状が出ることもあるでしょう。
また、液晶の表示はされていても、上下や左右が反転してしまったり、普通に表示される状態と反転状態とを繰り返したりするなどのケースもあるのです。液晶画面の表示がおかしいと通常通りの使い方をするのは難しくなってしまうので、適切な対処法を講じることが求められます。
1-3.タッチパネルが反応しない・スリープボタンが誤作動する
iPhoneSEのタッチパネルが反応しないという症状も、端末の水没で見られる場合があります。このケースでは液晶は表示されるものの、タッチ操作ができないという状態となるのです。液晶は表示されたとしても、タッチパネルが反応しないと通話やLINEなどができないため、非常に不便だと感じる人は多いでしょう。
これまでのようにタッチ操作ができないという症状が見られた場合は、水没によってタッチセンサーに不具合が生じている可能性があります。
また、端末が水没すると、スリープボタンが誤作動を起こすという症状が現れる場合もあります。スリープボタンの誤作動とは、ボタンを押していないにもかかわらず連続してボタンが反応してしまうというものです。そのため、スリープになったり、電源がついたりが繰り返されることになるのです。
電源のオンオフが繰り返し行われるとバッテリーを激しく消耗してしまうので、iPhoneSEの使用にも支障が生じるようになるでしょう。
2.水没させたときの応急処置
iPhoneSEを水没させた場合、そのまま放っておいても直ることはありません。万が一、水没させてしまったときのために、応急処置の仕方を把握しておきましょう。
2-1.電源を落とす
iPhoneSEが水没してしまうと、焦って端末から水分を取り除こうとしたり、いつも通り電源がついたりするかを確認したいという人が多いでしょう。たしかに、水没で画面が真っ暗になって突然電源がオフになると、写真など大切なデータが消えてしまわないかという点が心配されます。
しかし、端末を水没させてしまったときには、iPhoneSEの電源を落とすのが真っ先に行うべき応急処置です。電源が入ったままの状態では、水によりショートを起こしてしまうおそれがあるのです。一度ショートしてしまうとデータが消えてしまい、再び電源がつかなくなってしまうこともあるため注意しましょう。
また、水没が直接的な原因となって勝手に電源が切れてしまった場合も、電源を入れてはいけません。ただし、iPhoneSEが水没した場合は、電源ボタンを普通に押しただけでは、電源をオフにできないこともあります。電源ボタンを押しても電源を落とせないときには、電源ボタンとホームボタンを同時に押して、強制的に電源を切りしましょう。
2-2.水分を拭き取り乾燥させる
水没時の応急処置としては、水分をしっかりと拭き取って端末を乾燥させるという方法も有効です。水没をした時間や程度によっても異なりますが、イヤホンジャックやホームボタンなどは、比較的水が浸入しやすい箇所です。
そのため、これらの部分は乾いた布やティッシュなどを使って念入りに水を拭き取るようにしましょう。細部まで丁寧に拭き取る作業を行うと、一度水没してしまった場合でも、iPhoneSEが復活する可能性はあります。
また、イヤホンジャックなど細かい部分の水分を取り除くのは大変な作業です。たとえば、ティッシュなどを手でねじって、こより状にしたものを使うなどして機器内部の水分が完全になくなるまで根気強く水気を取り除くのも良い方法です。
iPhoneSEを使用している人のなかには、カバーをしている人も多いでしょう。カバーをしている場合は外して、しっかりと水分を拭き取ります。完全に水分を取り除いたあとは、密閉容器にiPhoneSEと乾燥剤を一緒に入れて動かさないように置いておき、十分に乾燥させましょう。
2-3.水没状況を記録する
iPhoneはいまや生活に欠かせないものであるため、突然水没してしまうと冷静ではいられなくなるものです。iPhoneSEが水没してしまったときには、そのときの状況を詳しくメモしておくか、しっかりと記憶しておくことが大切です。
どのような状況で水没したのかという記録があると、修理箇所が把握しやすくなります。たとえば、iPhoneSEをお風呂に水没させてしまった場合と、海で落としてしまった場合とでは、故障するに至った状況も変わってきます。
まず、お風呂は水道水を使用しているものの、温度が高い点が特徴です。加えて、石けんなどが混ざっている可能性もあります。次に、海にiPhoneSEを水没させた場合は、端末に海水が入ってしまうのです。海水が入ってしまうと、端末の金属部分が錆びついてしまい、最終的には電源が入らなくなってしまうという問題につながります。
その時々の状況によって、適切な対処法は変わってきます。そのため、iPhoneSEが水没した際には、メモや状況の記録があるかどうかが修理するうえでの重要な手がかりとなるのです。
2-4.カバーやアクセサリーを取りSIMカードを抜く
iPhoneSEを水没させてしまったら、カバーやアクセサリーは必ず外しておきましょう。カバー・アクセサリーは、製品によって材質が異なるため、材質によっては浸水を悪化させてしまうおそれもあるのです。加えて、端末にカバーを付けたままにしておくと、水を拭き取るとる際に邪魔になってしまい、水分を取り除く作業の妨げになってしまうのです。そのため、カバーなどは外しておき、しっかりと水分の拭き取りを行いましょう。
また、iPhoneSEが水没したときには、SIMカードを抜くことも忘れてはなりません。SIMカードが濡れてしまうと、データ通信などにも支障が出てしまうおそれがあるからです。SIMカードとは、iPhoneSEを購入したときに端末の側面に挿入されているカードです。
SIMピンがあれば、簡単にSIMカードを抜くことができます。SIMピンは端末を購入したときの箱に入っているので、手元にない場合は、もしものときに備えて探しておくとよいでしょう。SIMピンが見つからないときには、クリップや安全ピンなどで代用することも可能です。端末からSIMカードを取り出したあとは、カードに付着した水分を優しく拭き取ります。
このとき、SIMカードをゴシゴシと拭いてしまうと、故障してしまう可能性があるので注意しましょう。SIMカードが挿入されていた箇所にも水分が残っていることがあるので、この部分も忘れないように拭いておくことがポイントです。
3.水没時のNG行動
iPhoneSEを水没させてしまったときには、やってはいけないNG行動があります。ここからは、端末が水没した場合に避けるべき行動について紹介していきます。
3-1.iPhoneSEを振る
iPhoneSEが水没してしまうと、一刻も早く水分を取り除こうと思って、端末を激しく振ってしまうということは少なくありません。しかし、水没したときに端末を振ることは、絶対に控えるべきです。それは、iPhoneSEを振ってしまうと、浸水していなかった部分にまで水分が侵入してしまい、濡れてしまうおそれがあるからです。
端末を振ることは内部で水が拡散してしまうことを意味しているので十分に注意しましょう。仮にiPhoneSEの基盤部分に水が入ってくると、重大な故障につながるおそれもあります。そのため、端末が水に浸かってしまった場合は振るだけでなく、傾けるのもなるべく避けたほうが良いと言えます。
3-2.充電をする
iPhoneSEが水没した場合、画面が真っ暗になってしまうことがあります。電源が入らなくなったり、画面が暗くなったりすると「充電が必要なのではないか」と考える人も少なくないでしょう。しかし、端末が水没した際に充電をすることは、実はNG行動のなかでも絶対にやってはいけないもののひとつなのです。
充電をしてはいけない理由は、端末の電源をオフにする理由とほぼ同じで、電流が流れることによって基盤がショートしてしまう可能性を防ぐためです。
また、データのバックアップをとっていないことが気になる人のなかには、急いで端末をパソコンにつないでデータの保存をしようと考える人もいるでしょう。しかし、パソコンにつなぐことも端末に通電させていることになるため、避ける必要があります。
基盤がショートしてしまうと、復旧自体が不可能になる可能性が高いのです。そのため、iPhoneSEを水没させてしまっても、焦って充電しないように気をつけましょう。
3-3.ドライヤーの温風で乾かす
水没してしまった端末は、乾燥させて水気を十分に取り除くことを最優先に考えなくてはいけません。なかには、温風を端末に直接あてると比較的早く水分が飛んでいくため、ドライヤーで乾かそうとする人もいるでしょう。しかし、端末が乾くことは、iPhoneSEが復旧するということではありません。
また、ドライヤーの温風をあてて内部が高温になってしまうと、別の故障につながってしまうおそれもあります。たとえば、内部に不具合が生じたり、端末やバッテリーなどがドライヤーの熱で変形したりするなどの事柄が挙げられます。
加えて、ドライヤーで強い風をあてることによって、基盤まで浸水してしまうケースもあるでしょう。ほかにも、水と酸素とドライヤーの熱風で、故障のスピードを速めてしまうこともあります。iPhoneSEが水没するのは、真水に限ったことではありません。海水やジュース、汗などで端末が水没した場合にドライヤーで乾かすと、腐食が進むおそれもあるため注意しましょう。
4.修理費用と時間
端末の水没はユーザーの過失です。そのため、メーカー補償の対象外となっています。iPhoneSEを購入したメーカーに修理を依頼した場合も、有償修理となるのが一般的です。メーカーで修理をするのであれば、軽度の水没では2万円程度、重度の水没になると7万円を超えるなど、高額な費用がかかるケースもあります。
一方、iPhoneの修理を専門としている修理専門店などに依頼すると、7000~2万円程度のコストに抑えることができます。
また、修理にかかる時間は、修理専門店であれば、最短で60~120分程度で引き渡しになることもあります。Appleショップなどに修理を依頼すると、端末の状況によっては当日中に引き渡しになることもありますが、引き渡しまでに10日程度かかってしまうケースもあるでしょう。
修理にかかる時間と金額を考慮して、コストを抑えて短い期間で行いたいなら、修理専門店への依頼を検討してみましょう。
応急処置のあとは修理店へ
iPhoneSEを水没させてしまったとき、応急処置を行うとある程度の改善が見られる場合もあります。しかし、なるべく早く修理店へ持っていくことが復旧への近道です。アイサポなら予約をせずに当日持ち込みをした場合でも、修理に対応してもらえます。そのうえ、修理箇所の相談にも乗ってもらえるので、iPhoneSEが水没してしまったときには気軽に利用してみましょう。
その他にも以下の症状に当てはまるものがあればお問合せください。
・水没して動かない
・画面の表示がおかしい
・タッチパネルが反応しない
・タッチパネルがおかしい
・画面に水が入った