iPhoneには、「リカバリーモード」というモードが搭載されています。本来は不具合が起きたときなどにOSを復旧させるためのモードなのですが、予期せずリカバリーモードに入ってしまうこともあるようで、解除に手を焼いたという人も少なくはありません。
そこで、本記事ではリカバリーモードを解除するためのいくつかの手段や、モードを抜け出せなくなる原因などについて詳しく紹介していきます。
iPhoneのリカバリーモードってどういうもの?
リカバリーモードとは、iOSなどの端末に必要なデータの更新作業に失敗してしまったときに移行する可能性のあるモードです。要するに、重大なエラーから端末を復旧させるためのモードだということですね。
しかし、一度リカバリーモードに入ってしまうと初期化を要求され、iTunesへの接続とiPhoneの初期化しか選択肢が提示されないため、解除するまではメールや音声通話などを含む通常使用が一切できなくなってしまいます。
【対処方法その1】iOSシステム修復で解除する
第一に試してみるべきは、FonePaw(フォンパウ)が提供している「iOSシステム修復ソフト」を使った復旧方法です。このソフトでリカバリーモードの解除に成功した場合は初期化せずに済むため、バックアップを取っていない状態のときに突如リカバリーモードに入ってしまっていたとしても、大切なデータを失う心配がありません。
作業もいたって簡単で、まずはソフトを起動して「その他のツール」という項目を選択します。その後、「iOSシステム修復」、「スタート」と進んで「確認」をクリックしましょう。
最後に「修復」を選択すると復旧作業が自動で開始されます。ソフトは有料でパソコンだけは必要ですが、修復できるかの確認までは無料でできますし、修理店へ依頼するより安く済む可能性も高いという優れものなので、まずはこの方法を試してみるのがおすすめです。
【対処方法その2】リカバリーモードを直接解除
「iOSシステム修復ソフト」を使っての復旧ができなかった場合、同じくFonePawが提供する「iPhoneデータ復元ソフト」を用いて、リカバリーモードを直接解除するといった方法があります。
ソフトの名称にあるように本来はデータを復元するためのものなのですが、リカバリーモードからの脱出にも使えるようになっていて、「iOSシステム修復ソフト」と同様にデータを失わずに復旧できる可能性があるのです。
操作は、まずiPhoneとパソコンを接続し、その後「再起動」をクリック。すると、自動的にiPhoneのリカバリーモード解除の作業が開始されるため、あとは待つだけです。こちらのソフトも有料ですが、万が一データが消えてしまっても復元を実行することにより元に戻せる可能性が高いため、予期せぬリカバリーモードに悩む人の救世主として注目されています。
リカバリーモードがループする場合の原因と対処法
一度リカバリーモードに入ってしまうと、モードを抜け出せずに何度もループしてしまうことがありますが、この症状が起きる原因には次のような事象が挙げられます。
まずもっとも多いのは、「アップデート中に電源が切れる・通信が切れる」ということです。アップデートで受信しているデータは端末にとってとても重大なものとなっているため、途中で通信が遮断されてしまうとデータが破損して通常起動ができずリカバリーモードに自動的に移行してしまうという流れとなっています。
次に多いのは、データの送受信を行うために接続しているPC側の電源が落ちてしまったときです。このケースもデータの破損により、強制的にリカバリーモードへと移行しているといった状況になります。
万が一リカバリーモードを抜け出せなくなったときは、まずはスリープボタンとホームボタンを同時長押し(iPhone8は音量ボタン(アップ)、音量ボタン(ダウン)の順に素早く一度ずつ押し、その後サイドボタンを電源が切れるまで長押し)する「強制再起動」を試みましょう。
一度で復旧しなくても何度か試すことで復旧する可能性もあるため、諦めずに複数回実行してみるのがおすすめします。強制再起動で復旧しなければ、「PCに接続してみる」といった方法も試してみる価値があります。それでも復旧しないときは、「DFUモード」を使って復元する方法があります。ただしDFUモードを使った復元は、端末のデータを完全消去して工場出荷時のまっさらな状態に戻す作業です。
バックアップを取っていない状態で実行してしまった場合はデータを戻すことができなくなってしまうため、あくまで自己責任の元で行いましょう。
解除は正しい方法で行うこと!
本来リカバリーモードは、OSのクラッシュなどで端末が重大なエラーを抱えてしまったときの復旧作業用に用意されています。しかし、アップデート中の通信遮断などが原因で予期せぬタイミングで移行してしまう可能性もあり、正しい手順でモードの解除を行わなければ修復不能な故障や、大切なデータを失うことにもつながりかねません。
データは残したままの状態で復旧させることができる方法もありますので、無茶な解除は試みずに本記事で紹介している正しい手順で実行することをおすすめします。