インターネット上には、iPhoneの修理に関する動画が多くアップされています。その影響もあり、故障したiPhoneを自分で直そうとする人も増えてきました。また、DIYによる改造を施して、自分好みにカスタマイズしたいと考える人も少なくありません。しかし、それらの行為にはリスクが伴うことも知っておきましょう。この記事ではiPhoneのDIYについて、注意点なども含めて幅広い情報を提供します。
色々とある!iPhoneをDIYで修理する際に必要な道具
DIYでiPhoneを直すなら、事前にいろいろなものを用意する必要があります。もちろん、交換用の部品を調達することも重要ですが、それだけでは十分な修理を行えない可能性が高いです。なぜなら、一般的な家庭にある道具のみでは不可能な作業も含まれているからです。どのような工程が存在するのかチェックし、使用する各種道具も入手しなければなりません。たとえば、iPhoneを開ける工程では、精密ドライバーや星形の特殊ドライバー、精密ピンセットなどを用いることになります。金属製の部品や導線で構成されている回路は電気のショートを起こしやすいため、ピンセット類は静電気対策に関して信頼性の高いものが理想です。
また、液晶の交換が目的なら、ガラスへの貼り付けが可能な接着剤も不可欠です。目立ちにくいように、乾燥した後は透明になる素材のものを選びます。この工程でも電気が大敵なので、静電気除去に使うクロスなども重要です。一方、バッテリー交換においては、バッテリーの取り外しにヘラを使うことになります。プラスチック製のヘラなら基板を傷つけるリスクは小さいですが、力を加えても折れ曲がらないだけの強度は必要です。なお、新しいバッテリーを止める際に使用する両面テープも欠かせません。
iPhoneをDIYで修理するときの手順と注意点
iPhoneをDIYで修理するときは、正しい手順を踏むことも大事です。気を付けたほうが良いポイントもたくさんあるので、事前にチェックしておきましょう。以下に、そのような手順や注意点について詳しく解説していきます。
手順
一口にiPhoneといっても多くの機種が発売されています。機種ごとに修理の仕方に違いがありますが、すべての面で異なるわけではありません。バッテリーやフロントパネルなどの交換は、どの機種でもある程度は共通の手順となっています。これらの交換で最初に行うのは、外部接続端子の両サイドを固定しているネジの取り外しです。ネジ穴が星形なので、専用の特殊なドライバーを使用します。次のステップは、ヘラや吸盤を使ってフロントパネルを開く作業です。ゆっくり浮かせるつもりで、力加減を調整しなければなりません。
それが終わったら、精密ドライバーを使ってケーブル固定板のネジを外します。精密ドライバーを用意できなければ、ピンセットで代用することも可能です。そうしてケーブル固定版を取り外せたら、ソケットからケーブルを抜いた後にフロントパネルも外します。ここまでの手順を進めると、故障した部品にアプローチできるようになっています。それを慎重に取り出して、正常なものを取り付けると交換自体は完了です。逆の手順でiPhoneを組み上げて修理を終えます。
注意点
上記の手順を把握すると、iPhoneの修理は意外に簡単そうだと感じる人もいるでしょう。しかし、このDIYには失敗の原因になりやすい要素もあるので、くれぐれも注意しなければなりません。特に大切なポイントは、あまり力を入れすぎないことです。どの部品にもいえることですが、強引に外そうとすると破損のリスクが高まります。たとえば、フロントパネルを開けるときに勢いよく引きすぎて、ケーブルを切断してしまう事故も見受けられます。
さらに、紛失もDIYにおける代表的なトラブルです。iPhoneに使われているネジや部品は細かいものが多いため、外した後に見失ってしまう可能性があります。作業に集中するあまり、それらへの意識が希薄になりがちなので、マグネットマットのようなグッズを使って管理すると良いでしょう。また、回路のショートなどを避けるため、DIYの内容にかかわらず、事前に電源を切らなければなりません。やり方を知ると容易に思える作業も、実際に始めると予想より時間がかかりやすいです。焦って進めると失敗の確率が上がるので、余裕を持って取り組める環境やタイミングを選ぶ必要があります。
Appleが個人の修理を許可する?DIY修理プログラムとは
これまでAppleはiPhoneの修理が可能な業者を限定し、他の人が直すことを推奨していませんでした。しかし、そのスタンスに大きな動きがあり、DIY修理を支援するサービスがAppleから発表されたのです。2022年にスタートする本サービスでは、一般の人に対しても修理部品やツールが提供されます。また、提供元が公式メーカーという点も重要で、AppleがDIYによる修理を正式に容認したことを意味します。これを利用すれば、部品やパーツを得られるだけでなく、修理用のマニュアルもAppleからオンラインで入手が可能です。
上記の変化の背景にあるのは、サービスマニュアルやツールなどを公開するように、Appleに要望があったことです。Appleが本社を構えるカリフォルニア州など、各地でその圧力が強くなってきました。10以上の州において、すでに「修理する権利」に関して法的な検討がなされています。アメリカでは社会的な関心事になっており、同国の大統領は2021年にこの問題の調査を連邦取引委員会に指示しました。
USB-C対応や防水機能を実現!iPhoneのDIY改造事例
iPhoneのDIYで行えるのは修理だけではありません。使い勝手が良くなるように改造する人もいるのです。DIYによるiPhoneのカスタマイズが注目された事例はたくさんあります。たとえば、自分でiPhoneをUSB-Cに対応させた人もおり、YouTubeで公開された動画に多くの人が関心を寄せました。この特製iPhoneは古い機種がベースとなっていますが、それでも手に入れたいと希望する人が少なくありません。ネットオークションに出品された結果、値段は10万ドル以上につり上がりました。
また、中国でも改造が盛んで、特に流行しているのは容量のアップです。iPhoneはメモリーカードなどを使えないため、本来は購入後に容量を変えられません。中国で行われているのは、内部の記憶媒体の取り換えにより、16GBから128GBに変更する方法です。なお、DIYによって、iPhoneに防水コーティングを施す事例も見受けられます。こちらのiPhone加工の特徴は、標準では防水機能がない点をカバーするために、軍事技術のナノテクノロジーを活用していることです。
修正箇所の判断が困難!iPhoneでDIYを行う際のリスク
ここまで紹介したように、iPhoneの修理はDIYでも行えます。ただし、成功するかどうかは別問題なので、安易にチャレンジするのは良くありません。成功の前提は修理が必要な箇所を特定できることですが、そもそも素人にはその作業すらハードルが高いです。特定できないまま進めていくと、修理が不要な部分まで触ってしまい、さらに破損の範囲が広がってしまうケースもあります。その結果、もう修理できない状況に陥るようなリスクも生じるので警戒が必要です。
このように、手順だけでなく修理に関する多様なノウハウを求められます。交換用の部品の選び方も大切なノウハウの一つです。安さを優先して選択すると、粗悪な不良品が混じってしまう可能性があるので気を付けなければなりません。そのような部品に交換した場合、起動すらしなくなるケースもあるのです。また、前述のDIY修理プログラムは別として、Appleは個人による改造を認めていません。したがって、DIYで何らかの問題が発生すると、完全に自己責任になる点について理解が必要です。
iPhoneのDIYは簡単ではない!困ったときはアイサポへ
AppleにiPhoneのDIYを容認する動きが見られ、今後はさらに加速していく可能性もあります。とはいえ、iPhoneの修理や改造は決して単純ではありません。気軽に素人が手を出すと、目標を達成できないどころか、悪化するリスクも大きいでしょう。それを回避するためにも、iPhoneの修理が必要で困っているなら、100万台以上の修理実績を誇るアイサポに依頼するのが得策です。