2025年10月4日午後2時40分ごろ、大阪メトロ御堂筋線の車内で、乗客のカバンの中に携えていたモバイルバッテリーが突然発火するという事故が起きました。
心斎橋駅近くを走行中の車両で発火し、持ち主の女性と隣に座っていた別の女性2名が軽いやけどを負ったほか、路線は一時運転を見合わせる事態となりました。
昨今、このような電車の中で「iPhoneが発火した」「モバイルバッテリーから煙が出た」という事故が頻発するようになりました。
日常に溶け込んでいるスマートフォンやモバイルバッテリーが、こうして予期せぬ形で『火』をまとってしまう。
私たちは普段、あまり意識しないその小さな機器の潜む危険に、改めて目を向ける必要があります。
スマートフォンやモバイルバッテリーに搭載されているリチウムイオン電池は、私たちの生活に欠かせない存在である一方で、劣化や衝撃、充電環境の影響によって発煙・発火するリスクを抱えています。
特に電車内は密閉された空間であり、一度トラブルが起これば乗客全体に大きな不安や混乱を与えることになります。
本記事では、実際に国内で発生した電車内でのiPhoneやモバイルバッテリー発火の事例を紹介するとともに、なぜこうした事故が起こるのか、その原因と予防策を解説します。
通勤や通学で日常的に電車を利用する方にとって、自分自身と周囲の安全を守るために知っておきたい内容です。
目次
電車内でのスマホ発火事故は実際に起きている?
「電車の中でスマホが発火した」という話は決して都市伝説ではありません。
国内の鉄道各社では、実際にiPhoneやモバイルバッテリーが突然発煙・発火し、車両の運行に影響を与えたケースが複数報告されています。
とくに通勤ラッシュの時間帯や地下鉄などの閉鎖的な空間では、発煙による避難や運行停止につながることもあり、乗客と鉄道会社にとって大きなリスクとなっています。
発火の多くは、内部に搭載されているリチウムイオン電池が原因です。
リチウムイオン電池は高性能である一方、劣化や過充電、衝撃、高温環境などの条件が重なると「熱暴走」と呼ばれる現象を起こし、短時間で急激に発熱・発火する危険性を持っています。
特に電車内は人が密集しやすく、異常が起こった際に逃げ場が少ないため、より深刻な被害を招きやすいのです。
このように、電車内でのスマホやモバイルバッテリーの発火は「実際に起きている現象」であり、決して他人事ではありません。
2025年7月:JR山手線の車内で充電中のモバイルバッテリーから発火
2025年7月20日午後4時10分ごろ、JR山手線の新大久保 – 新宿間を走行中の車内で、乗客が所持していたモバイルバッテリーが発火し、バッテリー持ち主が手にやけど、20〜50代の男女4人が避難する際に足をひねるなどの軽いけがを負うという事故が起きました。
また、他の乗客が非常用ドアコックを操作して、線路に降りて避難する事態に。
この影響により山手線全線が運転を一時見合わせ、複数路線にも波及し首都圏の各路線で運休2本、遅延が108本発生し、東京の交通網全体に混乱をもたらしました。
その後の調査で事故の原因は、スマートフォンにつないで充電していたモバイルバッテリーの異常加熱によるものでした。
また、原因となったモバイルバッテリーは、ティー・アール・エイが過去に発売した「cheero Flat 10000mAh」で発煙や焼損の可能性があるとして2023年からリコール対象となっていた商品でした。
スマートフォンやモバイルバッテリーの急速な普及と共に、こうしたモバイル機器の管理や利用ルールの見直しの重要性が社会問題として浮き彫りになりました。
今回の事件は電車という公共空間での電子機器管理、事故時の対応に警鐘を鳴らすものです。
その他、国内で実際に発生した電車内での発火事故【事例紹介】
電車内という閉ざされた公共空間で起きた、リチウムイオン電池が原因による発火・発煙事故は、決して稀な出来事ではありません。
以下に、国内で報道された注目すべき事例を時系列でまとめました。
2023年8月:京阪電鉄・ワイヤレスイヤホン充電ケースが発火し乗客避難
| 発生状況 | 2023年8月26日、京阪電鉄の電車内でワイヤレスイヤホンの充電ケースから発火。火と煙が出たため三条駅で停止し乗客を避難させ運転を打ち切った。消火活動により大事には至らなかった |
|---|---|
| 原因 | 座席の向きを入れ替える転換装置に挟まれ圧力によってリチウム電池が損傷し発火 |
| 教訓 | 小型の電子機器も圧迫や衝撃で発火の可能性があり、“粗悪品”に限らず事故につながる可能性がある |
2020年9月:山手線でモバイルバッテリーから白煙、バッグ内で発火
| 発生状況 | 2020年9月16日朝、山手線の鶯谷〜上野間を走行中、バッグ内から白煙が発生し緊急停車。持ち主の女性が軽いやけどを負った |
|---|---|
| 原因 | ヘアアイロン用モバイルバッテリーが原因で、内部ショートによる出火と推定 |
| 教訓 | 「熱くなる」「外装の膨張」「不意な電源オフ」などが危険サインとされる |
2017年9月:山手線内で煙、粗悪な充電器使用による過熱
| 発生状況 | 2017年9月11日、東京〜神田間の山手線車内で、リュック内のスマホとリチウム電池を安価な充電器で充電中、白煙が発生。乗客の通報で緊急停止し、火は消火器で鎮火。けが人なし |
|---|---|
| 原因 | 安価(粗悪)な充電器の使用による発火事故 |
2016年10月:京阪電鉄・置き忘れスマホから煙
| 発生状況 | 2016年10月21日、京阪本線を走行中の特急列車内で、「置き忘れたスマホから煙が出ている」との通報。確認すると黒く焦げたスマホがあり、係員が処分。乗客は他の車両へ移された |
|---|---|
| 原因 | 乗客が落としていたスマホが座席の隙間に挟まれ、破損して発煙した可能性があるという見解 |
なぜiPhoneやモバイル端末は発火するのか?
スマートフォンやモバイルバッテリーに搭載されているリチウムイオン電池は、コンパクトで大容量という利点がある一方で、取り扱いを誤ったり劣化が進んだりすると、発火のリスクを抱えています。
電車内で起きる発煙・発火事故の多くも、このリチウムイオン電池が原因です。
リチウムイオン電池の特性と「熱暴走」
リチウムイオン電池は、内部で化学反応を繰り返すことで充電と放電を行います。しかし、
- 過充電(充電しすぎ)
- 過放電(電池を使い切りすぎ)
- 強い衝撃や圧迫
- 高温環境での使用・放置
といった状況が重なると、電池内部で異常な化学反応が起こり、急激に温度が上昇する「熱暴走」という現象を引き起こすことがあります。
熱暴走が起きると、短時間で100℃以上に達し、外装が破損して火や煙が出る危険性があります。
発火を引き起こす主な要因
バッテリーの劣化
長期間使用したバッテリーは内部構造が不安定になり、発熱しやすくなります。
特に真夏の高い気温の中で使うとあっという間に高温になるため、劣化が進んだり発火するリスクが高まります。
非純正や粗悪な充電器の使用
安価な充電器は電圧や電流の制御が不十分で、過充電による異常発熱を招く可能性があります。
落下や圧迫による物理的破損
バッグの中で強く押しつぶされたり、落下の衝撃で内部が損傷すると、ショート(短絡)が発生して発火につながります。
高温環境への放置
真夏の炎天下の車内に放置されたスマホやモバイルバッテリーは、外気温の影響で急激に温度が上昇し、発火の引き金になることがあります。
iPhoneも例外ではない
AppleのiPhoneは厳しい品質管理のもとで製造されていますが、リチウムイオン電池を採用している以上、他の端末と同様に発火のリスクを完全に排除することはできません。
実際、iPhoneでもバッテリーの膨張や発熱トラブルが報告されており、使用環境や充電方法によっては事故につながる可能性があります。
もし電車内でiPhoneが発火したらどうすべき?
電車内でiPhoneやモバイルバッテリーが突然発火した場合、乗客は密閉された空間にいるためパニックになりやすく、煙や火花によって大きな混乱を招きます。
そんなときに冷静に対応できるよう、あらかじめ行動手順を知っておくことが大切です。
- まず最優先は「自分と周囲の安全確保」
- 発火したスマホやバッテリーには絶対に素手で触らない
- 荷物や衣類に火が燃え移る前に速やかに距離を取る
- 周囲の乗客に「煙が出ている」と声をかけ、避難を促す
- 駅員・乗務員への連絡
- 緊急時には非常通報装置や車内インターホンを使い、乗務員に状況を知らせる
駅員や車掌が消火器を使用して対応するケースがほとんどなので、まずは周囲に知らせることが重要
やってはいけない行動
水をかけるのはNG
リチウムイオン電池は水に反応して逆に危険性が増すことがあります。
素手で拾い上げる
高温になっており火傷の危険があるほか、爆発的に燃え上がる恐れもあります。
遠ざけるために投げる・蹴り飛ばす
衝撃が加わるとさらに発火が拡大する可能性があります。
避難のポイント
車両内が煙で充満してきた場合は、濡れたハンカチや衣類で口や鼻を覆い、低い姿勢で移動すると比較的安全です。
次の停車駅で速やかに降車し、係員の指示に従いましょう。
2025年7月の山手線内の発火事故では乗客がドアを開けて外に降りる事態となりましたが、転落などの危険があり非常に危険なので、まず乗務員に通報して指示を仰ぎましょう。
このように、電車内で発火事故が起きた際は「自分で無理に消火しようとせず、まずは安全確保と通報」が最も大切です。鉄道会社は想定訓練を行っており、乗務員や駅員が適切に対応します。私たち利用者が心掛けるべきは、冷静に避難することなのです。
日常でできるiPhone発火防止対策
電車内での発火事故は、ほとんどがリチウムイオン電池のトラブルによって起こります。
しかし、日頃から正しい使い方を心がけることで、多くのリスクは回避できます。
ここでは、iPhoneを安全に使うための予防策を紹介します。
1. 正規品の充電器やケーブルを使用する
安価な社外品の充電器やケーブルは、電圧や電流の制御が不十分な場合があり、過充電や異常発熱の原因になります。
Apple純正品、またはMFi認証を受けた製品を使用するのが安心です。
2. 高温環境に放置しない
炎天下の車内や直射日光の当たる場所に長時間置いておくと、iPhone本体やバッテリーの温度が急激に上昇します。
特に夏場の車内は想像以上に高温になるため、使用していないときは持ち歩くか日陰に置くようにしましょう。
3. バッテリー劣化を放置しない
- バッテリーが膨らんでいる
- 充電中に異常に熱くなる
- 残量が急激に減る
こうした症状は交換のサインです。
劣化したバッテリーを放置すると発火のリスクが高まるため、Apple正規サービスプロバイダや街の修理屋さんなどで早めに交換しましょう。
4. 異常を感じたらすぐ使用を中止する
焦げ臭いにおいや異常な発熱を感じたら、すぐに充電をやめ、電源を切ることが重要です。
持ち歩く際は耐熱袋(防爆ポーチ)に入れると安心です。
5. 充電しながらの過度な使用を避ける
充電しながら動画視聴やゲームを長時間続けると、本体温度が上がりやすくなります。
特にケースを付けたままでは熱がこもりやすいため、発熱が気になるときは充電を中断しましょう。
まとめ|電車内でのiPhone発火は「実際に起きている」からこそ予防を
電車内でのスマートフォンやモバイルバッテリー発火事故は、単なる個人の問題ではなく社会・経済全体に深刻な影響を与えています。
運転停止による通勤・通学の混乱、企業や公共インフラが被る損害、さらに医療機関や警察・消防の対応負担も増加しています。
リチウムイオン電池は便利である一方で、劣化や高温、衝撃などの条件が重なると「熱暴走」を起こし、発火の危険性をはらんでいます。
しかし、正しい使い方を意識すればそのリスクは大幅に減らせます。
スマートフォン・バッテリー利用を巡る環境は日本のみならず国際的にも厳しくなっているため、誰もが最新の情報やルールを把握することが重要です。
- 正規品の充電器・ケーブルを使う
- 高温環境に放置しない
- バッテリーの劣化を早めに交換する
- 異常な発熱や膨張を感じたら使用をやめる
といった日常的な対策が、万一の事故を防ぐための第一歩です。
電車内という逃げ場の少ない空間では、ひとつの発火が大きな混乱を招く可能性があります。
だからこそ「自分のスマホは大丈夫」と思わずに、日頃から安全な使い方を心掛けることが大切です。
自分自身だけでなく、周囲の乗客の安全を守るためにも、今日からできる予防を実践していきましょう。
アイサポでは¥4,980~、即日対応でバッテリー交換を行っています。
発火に至る前に、バッテリーの減りが速いなど異常を感じたらすぐにお持ち込みください。
その他にも以下の症状に当てはまるものがあればお問合せください。
・バッテリーがすぐ切れる
・電源がいきなり落ちる
・充電してもすぐにバッテリーが切れる
・バッテリーの充電が遅い
・バッテリーが膨張している
・バッテリーが発熱している
・バッテリーの充電が遅い








